生態工房とは活動について参加する支援する
アカミミガメ問題Q&A



●駆除について

Q.こんなに野外に蔓延しているのだから、駆除するのは無理では?

→「全国のアカミミガメを短期間で根絶する」という極端なことを言えば無理ですが、防除活動が行われている個々の水域では、根絶や低密度化を達成しているところがあります。水域ごとに目標(管理状態レベル、達成年)を定め、現実的に取り組んでいくことが肝要です。


Q.アカミミガメは日本の生きものと共存しているのでは?

→天敵や寄生生物のいない新天地に放たれたアカミミガメは、地域の生物多様性を脅かすので、「世界の侵略的外来種ワースト100」に挙げられています。現在、各地の水域でアカミミガメと在来生物が同時に見られている状況は「侵略」の進行中であり、共存とはいいません。各地のNPO、自治体、研究者等が、アカミミガメによる水生植物の消失や在来カメとの競合に危機感を持ち、対策に取り組んでいます。



Q.在来カメがいない場所ならアカミミガメがいてもよいのでは?

→アカミミガメによる影響は、在来カメに対する影響だけでなく、水草や水中の小動物、カイツブリ等の水鳥のヒナを食うことが挙げられます。在来生物があまり生息していない水域であっても、そこからアカミミガメが拡散していくリスクがあります。野外にアカミミガメがいてよいということはありません。


Q.野外から排除したカメを有効に利用するべきでは?

 ア.野外からの排除には賛成するが殺処分をしないでほしいという意見
→防除活動をしている人の多くは、まずは飼育先を見つける努力をしています。しかし、あっという間に飼育可能頭数に達してしまい、全頭は救えないのです。捕獲や引き取りをしたすべてのカメを「必ず飼育する」ように求めるのは、どうかご容赦ください。
 防除活動の目的は、ペット動物の愛護ではなく、水辺の生物多様性を保全回復することです。捕獲したアカミミガメを飼育することにすると、収容スペースや里親希望者が増えない限り、捕獲作業をできなくなってしまいます。

 イ.殺処分はやむを得ないが、食用、飼料、肥料、資材等に使うべきという意見
→当会ではこれらの案について検討した結果、資金や時間がかかりすぎるので現実的ではないと判断しています。技術的には可能であっても、コスト面で無理だということです。カメは埋めて土に還すのがコスト面・環境面からも優良です。生きものを自然に還すのは自然の摂理に適っています。

 有効利用策はコストの問題ではない、と考える民間団体が有効利用に取り組むのはよいと思いますが、もし行政がそれをやるのだとしたら、その費用を駆除に使っていただきたいと思います。


Q.駆除する前に、流通を止めるべきでは?

→流通規制は、新たな外来種を生み出さないため。駆除は、すでにいる外来種をいなくするため。どちらも必要なことです。

  そもそも、駆除をしないと流通を止められません。日本も加盟しているWTO(世界貿易機関)の自由貿易体制下である輸入品目に規制をかけるためには、規制の正当性を示して輸出国の同意を得なければなりません。具体的には、アカミミガメによる被害を科学的データで示すこと、積極的に防除が行われているという実態を示すこと、の2つが考えられます。






●規制強化について

Q.流通規制よりも、カメを捨てさせない教育の充実が重要では?

→アカミミガメ問題に限らず、さまざまな問題には規制と教育の両面から取り組むのが有効です。流通規制は、例えば20××年から輸入・販売が制限されると決まれば、流通量が激減するので、環境保全効果はてきめんです。教育活動の必要性については同感ですが、教育のみでは規制と同等の効果は達成できないと思われます。

▲市民への普及啓発活動


Q.特定外来生物に指定されると、飼育されているカメが野外に捨てられるのでは?

→アカミミガメ問題を解決するためには、即効性・実効性のある方法として、外来生物法で「特定外来生物」に指定し、輸入・販売・新たな飼育に制限を加えるのが効果的です。
 「規制強化をすると捨てガメが増える」という報道が、「飼育禁止になるから捨てなくちゃ!」という誤解を広めています。すでに飼育している個体は手続きをすれば今後も飼育できる、という事実を周知していくことが、専門家や報道関係者に期待される責任ある対処法ではないでしょうか?

 飼育しているアカミミガメを手放したいという人に対して、受け入れ策を用意することも肝要です。これにより、野外に放出されたアカミミガメを捕獲するよりも対策コストを抑えることができます。受け入れ窓口は、国、地方自治体、これらの出先機関といった既存の組織を活用するのが現実的と思われます。

 これらの手を尽くしたとしても、捨てガメを完璧に防ぐことはできないでしょう。しかし、この先何十年にもわたってアカミミガメの大量輸入・大量遺棄が続き、永遠に駆除活動が終わらないということを、水辺の生物多様性保全に携わっている人たちは憂慮しています。


Q.輸入規制をしても代替種(代用品)の輸入が増えるだけでは?

→多くの種類のカメが輸入されている中でアカミミガメが問題になっているのは、1頭500円程度と安いので、気軽に買って手放してしまう量が多いからです。この安さはカメ商品の中で突出しており、例えば代替種候補と言われるミシシッピチズガメの値段はこの4倍以上します。
 こういった2000円ランクのカメが、アカミミガメのように気軽に買って手放されるかというと、疑問です。値段を下げるには、アカミミガメのように安価な生産体制を構築しなければなりません。
 またアカミミガメは1960年代に企業が実施したプロモーションによって大人気になり、誰もが知るペット動物になったという経緯があります。このような要件をクリアして「第二のアカミミガメ」が誕生するのは、簡単なことではないと思われます。

 それでも「第二のアカミミガメ」の予防に万全を期すとしたら、代替種になる可能性が高い種や近縁種を同時に指定して規制するという方法があります。

▲第2のアカミミガメになりうるのか?1匹2000円以上もするニセチズガメ


Q.流通規制をすると闇ルートで販売されるようになり、実態把握できなくなる。

→アカミミガメが問題なのは、大量・安価に流通しているので、深い考えを持たずに安易に入手する場合があり、飼育放棄につながりやすいことです。闇ルートが良いなどとは思いませんが、一般の人が店先でなんとなく安いから購入するという状況をなくすことができれば、流通規制は成功なのです。

 
▲ページのトップへ